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2021年08月24日
一羊会職員インタビュー 田中 省二さん
一羊会の職員を紹介する企画の第8回目です。
今回は、武庫川すずかけ作業所で支援員をしている田中省二さんにインタビューさせて頂きました。
3階軽作業班での仕事の話や、この分野の仕事に興味を持ったきっかけについて、また今年4月に第一子が誕生され育児休暇を取得した時の話など、様々な質問に答えてくれています。
また、Facebook版では田中さんのプライベートについてもたっぷり語ってくれていますので、こちらも是非ご覧ください。父親の顔になっている田中さんのファミリーショットも必見です。
―どんな仕事をしているのですか?
武庫川すずかけ作業所に所属しており、今年で10年目になります。現在は支援員として3階軽作業班に所属しており、内職や自主製品である紙漉き作成などの屋内作業、資源回収や清掃などの屋外作業などに利用者の方々と取り組んでいます。また昨年度より、サービス管理責任者を兼務しており、軽作業班の利用者の方々を中心に、支援計画の作成や支援の進捗確認などを行っています。
―この仕事を志したきっかけは?
福祉にぼんやりとした興味・関心はありましたが、特に目指そうとは思っていませんでした。全然分野の違う大学(学部)に進学したものの、積極的に人や事に関わることができず、2年目くらいから行きづらくなっていました。その頃、しょうがいを持ちながらも周りの協力を得ながら地域で生活されている方のお手伝いをしており、将来について悩んでいるなかで、その方との関わりから福祉の分野もいいなと思うようになっていました。学校に行けていないことを親に言い出せずにいたのですが、しばらくしてそのことが伝わった際に福祉の勉強がしてみたいと相談し、社会福祉が学べる大学に入りなおしました。卒業後は福祉関係の事務的な仕事についていましたが、そこを退職することになった際、学生時代に知的しょうがいのある方が大学で授業を受ける(勉強する)機会を提供する活動をしていたことから、直接そういった人たちに関わる現場はどうだろうと考えるなかで一羊会と出会い、今に至ります。振り返ってみると、志すというよりもその時々の出会いや経験から今この職業についている気がします。それぞれ受け取るばかりで何も恩返しできていないのですが…。
―この仕事の魅力はどんなところですか?
利用者さんのコミュニケーションの方法や物事の理解のされ方は人それぞれです。もちろんそれは障害のあるなしに関係なくあるものだと思いますが、支援者としての関わりのなかで、自分自身の価値観だったり、考え方だったりが揺さぶられるようなときがあります。そのことについて、どうすれば自分が関われるのかを考えることがこの仕事の魅力なのかなと感じています。
―仕事をしている中で困ったこと苦労したことを教えてください。またそれをどのように解決しましたか?
ある利用者さんの支援で、通院しなければならない場面がありました。ASDの方で、すでに写真や絵カードを用いたスケジュールが導入されていましたが、実際の受診場面では拒否がありそうだということで、通院に際して本人が受け入れやすいスケジュールでの伝え方が必要になりました。自分なりに組み立てて実践しましたが、拒否があったため再度別の医院に行くことになりました。その後、課題はありつつも通院・受診できましたが、事前に周りの先輩職員などに相談できていなかったこともあり、改めて基本の報告・連絡・相談の必要性を感じたのと、独りよがりの考え方だけではなく、様々な意見を聞きながら最善と思われる方法を取る重要性を感じた事例でした。
―育児休暇の間はどんな生活でしたか?
4月の半ばに娘が生まれて、5月の中旬から10日間ほど育児休暇を取得しました。生まれてしばらくは妻の実家で母子ともに過ごしていたのですが、取得期間直前から自宅に戻り親子3人の生活になりました。夜泣きはほとんどなかったのですが、寝入るまで時間が掛かったり、日中も落ち着かなくて常時あやしたり、膝のうえで眠るのを見守ったりして、食事も妻と交代で摂って…と慣れないことも多く、バタバタした日が続きました。
―その期間は、どんなことを考え、感じて過ごしていましたか? 復帰後、何か心境に変化はありましたか?
今は父母2人揃っているけれど、職場復帰した後はどうなるのだろう、とか、この時期の子どもの様子を側で見られるのは幸せなことだな、など感じていました。育休を取るまでは、子どものいる生活を具体的なところまで想像できていなかったのですが、一緒に生活するなかで、楽しさのなかにも大変さがあると痛感しました。仕事でもプライベートでも、自分のペースを崩さないところがありますが、仕事や子育てにおいてもいろいろな視点や立場にも配慮して、今何をするべきかを考え、発言したり行動したりしたいと思うようになりました。
―仕事を通じて自分が成長したな、変わったなと思うところは?
自身の意見などを表明したり、新たな方法や改善案を提案したりすることは苦手でしたが、仕事を通じて少しはできるようになったかなと感じています。必要に迫られてだったり、まだまだ不十分な部分はあったりしますが、それでも自分自身で成長を感じられるのは、発信した意見を受け入れてもらえる環境であり、常に成長を求められる仕事・職場だからではないかと思います。