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社会福祉法人 一羊会 ICHIYOU-KAI

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2021年06月25日

一羊会職員インタビュー⑥ 中田祥貴さん

一羊会で働く職員を紹介していく企画の第6弾です。

今回は、地域生活支援センタージョイント内に事務所を構える「相談支援こんぱす」で相談支援専門員として働く中田祥貴さんにインタビューをさせて頂きました。

相談支援専門員の仕事とはどういったものなのか、仕事の事、プライベートの事、たっぷりと語って頂きました。複数の写真やプライベート情報満載のFACEBOOK版と併せてご覧ください。

 

 

―『相談支援専門員』の仕事について教えてください。 

 主な仕事は、しょうがいのある方が障害福祉サービスを利用するために必要なサービス等利用計画(西宮市では『本人中心支援計画』と独自の名称を使用)の作成を行っています。

本人中心支援計画を作成していく中で、ご本人が希望する暮らしについて聞き取りを行い、どのような形で希望を実現していくのかをご本人、ご家族、支援者が一つのチームとして一緒に考えています。

 また、本人中心支援計画を作成するだけではなく、日々の生活の中での困りごとなどについての相談を受けて、どのような形で解決していけるのかを一緒に考えるなどのお手伝いをしています。

 

―仕事のやりがいや魅力はどんなところですか?

 ご本人やご家族、支援者に「相談して良かった」と感じてもらえた時にこの仕事をやっていて良かったと思うことが出来ます。「計画を作成した、福祉サービスを調整できた」など自身の業務にやりがいや達成感を感じることは相談者に失礼ではないか?自己満足となってしまうのではないか?と考えており、ご本人の希望が叶うことや困りごとが解決したと実感ができた時にやりがいを感じます。

 この仕事の魅力は、ご本人の人生の中で登場人物の一人にしていただけることや希望する暮らし、困りごとの解決などを一緒に考えさせていただけるところです。一人ひとり歩んできた人生や考え方は当然違いますが、色々な方と一緒に喜んだり、考えたりすることができるのはこの仕事をさせていただく上での魅力の一つであると考えます。

 

―どのような事を大切にしながら相談業務を行っていますか?

 本人中心の視点を大切にし、ご本人の思いをどのように確認していくのかということを第一に考えて相談業務を行っています。「私達の仕事の主人公は利用者である」ということを常に意識し、相談支援専門員(以下:相談支援員)の主観で必要な支援や障害福祉サービスを考えるのではなく、ご本人の思いに寄り添いながら希望する暮らしを実現していくために必要な障害福祉サービスを一緒に考えていく姿勢が、我々相談支援員に求められると考えています。

中には、ご自身の思いを伝えることが苦手な方も多くおられます。相談支援員は直接的な支援を行っていないため、ご本人の思いや日々の様子の変化についてどのように知っていくかということが大切です。相談支援員だけで考えてしまうとどうしても視点が偏ってしまうことがあります。そのため、ご本人と日頃から関わっているご家族や支援者の方々から日々の様子やご本人がどのような思いであるのかなどを確認させていただいています。ご本人の思いや意向を100%汲み取ることは難しいですが、その思いにどのような形であれば近づけることが出来るのかを客観的に捉えていくことも大切と考えます。

 また、本人中心支援会議の場を設定することで、ご本人、ご家族や後見人などの関係者やサービス提供事業所、学校、病院などの関係機関などが、一つの支援チームとして同じ方向性で生活を考えていくことに繋っていると実感しています。これもまた相談支援員として必要な役割なんだと感じています。

 

―これまでの経歴を教えてください。

 一羊園(障害者支援施設)で生活支援員として12年、こんぱす(相談支援事業所)で相談支援員として3年になります。

 

―生活支援員としての経験が活きていると感じる場面はどんなところですか?

 一羊園では利用者の方々の生活を、その方の暮らし全体で考えていました。直接支援と相談支援という点では違いがありますが、一人ひとりの「暮らし、日中活動、余暇」を考えるという意味では、通じる部分があると感じます。また、人と関わる仕事をさせていただく上での基本的な考え方や姿勢についても学ばせていただきました。言葉で表せないほどの感謝とたくさんの思い出は仕事の励みとしてこれからも大切にしていきます。

 

―担当されてきた中で印象に残っているケースを教えてください。

 ご自身の本当の思いを伝えることが苦手なAさん(仮称)との関わりが印象に残っています。ある日、自宅へご訪問した際に「ガイドヘルパーと外出がしたい」とAさんが話され、今まで一人で外出をされていたのになぜなのかなと考えました。Aさんと話をする中で、初めは休日に一人で過ごすのが寂しいと話されていましたが、実は一人で外出した際に降りる駅を間違えてしまうなど公共交通機関の利用に不安を感じていることが分かりました。そのため、Aさんが不安と感じていることをどのように解決できるのかを一緒に相談し、必要な手助けをさせていただきました。

Aさんのケースを通して、「今まで出来ているから大丈夫」と相談支援員の主観で捉えるのではなく、ご本人の気持ちを確認していく中で本当の思いがどこにあるのかを丁寧に聞き取っていくことの大切さを教わりました。

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